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​機械式柱時計が甦るまで

私は時計屋さんではありませんし、時計屋さんで働いた事もありません。私が生まれる前から時を刻み、人々の生活を支えてきた「柱時計を甦らせ、保存をしたい」という気持ちだけ。修理に関しては様々なサイト様を参考にさせて頂いておりますが、もしかしたら時計にとってダメージを与えるやってはいけない事もやっているかもしれません。結局私は素人で、プロではありませんので、お遊び程度にご覧ください。

修理の過程は順序を追って説明していますが、1つの時計で全ての過程を写真に収めているわけでなく、時計に相違があることを予めご了承ください。

①ジャンク品の仕入

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本当は捨てられるはずだった、動かなくなった柱時計。

オークションで​部品取り用と思われる柱時計を収集していきます。

いくらジャンク品と言えど、そんなに安い物ではありません。

特に北海道は送料が高くなります。送料込1台2000~4500円で購入します。

すべて中古品であるため、状態も値段もバラバラです。

​梱包を外していく時が一番ドキドキします。

②仮掛け検査

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柱時計は本来壁に掛かっているものです。

輸送時や修理時などの一時を除いて、壁に掛けられていなければならないのでは?と思い、梱包を外したら仮掛けを行っています。

仮掛けを行ったら、振り子を取り付けて時計の状況を確認します。

​時を刻むのか、鐘を打つのか…メモを残して修理に備えます

③分解

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分解を始めていきます。時計を外し移動する前は、必ず振子を取り外します。古い柱時の部品は、大体マイナスネジで止まっています。近代ではプラスネジや六角ネジを多用しているので、あまり使わないマイナスドライバを多用します

1.時計の針を押さえている抜け止め(ピン・皿)を取り、長針・短針を抜きます。

2.文字盤は大体3本のマイナスネジで止まっているので、緩めて外します。

3.機械部の状態が見えるようになるので、状態を確認します。特に、機械式柱時計の心臓部ともいえる「フリベラ」が破断していないかを確認します。確認した後、フリベラを引き抜いて取り外します。破断していると交換が必要ですが、現状部品が手に入りにくいので、修理が困難になります。

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←フリベラが折損しており、針金で結ばれている。これでは振り子を揺らしても、時計が止まってしまうばかりでなく、機械部を痛める可能性がある。

​フリベラは、時計を移動させるときに振り子を付けたままだったり、時計を落下させた時など、無理な力が加わると折損する。

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←状態が良くない時計から取り外したフリベラを使い、時計を復活させていく

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4.機械部を取り外していきます。このとき、基本的にボンボン渦またはりん棒は外しませんが、さびている場合は取り外し、塗装するか、調整が必要な場合は調整します。塗装する場合は若干音色が変わってしまうので薄く塗ります。

④脱脂

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基本は全分解整備ですが、比較的歯車や機械部の状態の良いものは香箱(歯車・ゼンマイなどの機械部を収めている躯体)を分解せずに整備しています。脱脂に使用するのがパーツクリーナーであるため、隅々まで脱脂・清掃できるからです。

全分解する場合は、ゼンマイを専用器具や太い針金等を使い、香箱を分解した際に瞬時に解放されないように固定します。固定しないと、香箱を外した際にゼンマイが瞬時解放されて怪我をするだけでなく、他の部品を損傷したり、どの歯車がどこに収まっていたのか分からなくなってしまいます。

まず最初に機械部を手に持ち、裏面から清掃していきます。特にゼンマイ部分はゼンマイ油を含んでいるため、念入りに脱脂しておきます。ゼンマイは全巻になっていると清掃しにくいので、ある程度ゆるんだ状態だと隙間があって隅々まで清掃しやすいです。

裏面の清掃が終わったら、表面を清掃します。これを2回行う事で殆どの油を落とすことが出来ます。パーツクリーナーは大容量タイプで1本消費します。

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機械部から落とした古い油と汚れ。

脱脂した機械部は1日以上かけて乾燥させます。

 

ただ、長い時間注油せずに放置してしまうと錆が発生してしまいますので注意が必要です。

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⑤注油

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時計の注油には、時計専用の油を使用します。5-56や他の潤滑剤は使用しません。

時計に適した粘土で油膜を作ることが大切で、さらにその時計が長い年月動いても部品同士が固着しないよう乾燥しにくい成分で出来ています。正直高価です。使う量はそんなに多くありません。しかし時計を正常に動かすためには必要な消耗品です。

右…瞬間さび取り剤 振り子などの部品を磨く中性のさび取り剤です。

中央…時計用ゼンマイ油 その名の通りゼンマイに注油するものです。

​左…CLOCK OILグローブ油 時計の歯車やそれを支える部分に塗ります。

順次追加・更新していきます

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